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「人は見かけによらないんだねー」
続いてメッセージが表示されたのは十文字ナノというこちらも友人の一人である。
「まだ、容疑者ってだけでしょ。犯人かどうかは分かんない」
冷静な判断をするのが一条ケイコ。
「明日、学校どうなるんでしょうか」
宿主である二木カリンは不安げにそう打ち込んだ。
彼女はいつも、丁寧語で遠慮気味に会話する。それはチャットの文面だって変わらない。
二木カリンは、自分が時折ボンヤリとしてしまうクセがあると自覚していたから、よく人の話を中途半端に聞いていたり、反応が遅れたりすることがあったため、気を付けているものの、人とのコミュニケーションに関して、一歩引くようなスタンスを作るようになった。
それは我に憑かれているため、そういう状況を生み出してしまったのが申し訳なくも思うが、こちらとしても宿主をほいほいと乗り換える事は出来ないため、受け入れてもらうしかない。
どうしても、友人に対して遠慮がちに話しかける事が増えて、いつしか彼女は丁寧語が標準語になったのだ。
「休みにならないかなあ」
ナノがマイペースにそんな事を言う。
「ていうか、試験も中止にならないかな」
「いやいや、気にするとこそこかよ」
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