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「……なんだか怖いですね」
カリンは心底怯えたようにそう打ち込んだ。すぐ傍の教師が殺人事件の容疑者として逮捕されたのだから当然の感覚だろう。
「なんで容疑者に上がったんだろ」
ミドリが完全に勉強をそっちのけでニュースの話題を広げだした。
「ニュースじゃ何も言ってないよねー」
「ねえ、もしかしてあの女の人のことじゃない?」
「えー? あの女の人って朝の?」
ケイコの言ったあの女と言うのを、カリンは分からなかった。我もその話は初耳で何のことかと『あの女』に興味がわいてしまった。
「なんですか、それ。詳しく聞きたいです」
思わず自分の意思がにじみ出てカリンに伝わってしまったのかもしれない。普段のカリンならこうまで食いつかないだろうに、チャットのテキストにも意思が見えるほどに反応してしまった。
やがてそれに返したのはケイコだった。
「今朝、学校の校門にやつれた白い肌の女性が立ってたの。みんななんだろうって怪しみながら校門をくぐってたんだけど……」
「私も見たよー。ぼーっと立ってると思ったら、なんだか校舎の方を指さしてたの」
続いて回答したのがナノだった。更にケイコが補足していく。
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