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「そう。で、何してるんだって私気になってさ、指の先を追ったんだけど、どうも二‐Cを指さしてるみたいだったんだよ」
「なにそれ、コワッ」
反応したのはミドリだった。どうやら彼女もその話は知らなかったようだ。
カリンが登校する前にあった出来事だったのだろう。
「で、先生たちが警告に来るかもって思ってたら、まるで煙みたいに消えちゃったんだよね」
ケイコが不思議だったとメッセージを打ち込んだ後、ナノも同調して返事をする。
「お化けみたいだよねー」
「もしかして四谷さんの幽霊?」
ぞっとでもしたのか豊かな空想を膨らませ、ミドリがそんなことを言う。が、すぐさまナノが否定した。
「ココロちゃんじゃないよ、全然違う人~」
「なんだよー、じゃあなんで指さしてたんだろな」
そのやり取りに、カリンは疑問を持ったらしい。チャットメッセージ欄を暫しじっと見つめて考えていた。我も今の発言には違和感を持った。だが、カリンは特にその事を聞き出す気はないのか黙っていた。
ともかく、八房教師が逮捕されたのは間違いない。それを確認する必要がある。
もし、その教師が桂男なら妖怪としても逮捕する必要があるのだから。
カリンは自室に向かいながら、渦巻く不安にこれから先の事を考えているらしい。
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