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……他の三人はどうだか知らないが、アタシはどうも恋愛が苦手だった。
なんというか、恥ずかしいのだ。ドラマの恋愛モノとかも見れない。キスシーンなんかあった日には気まずくなってしまう程度には恋愛に免疫がなかった。
「あー、くそー。アニキのせいでなんかぐちゃぐちゃしてきた。つか、なんなのイキナリ。気になる」
ベッドでごろごろ転がりながら悶えて居たら、スマホが震えたので、画面を寝転がったまま覗き込む。
すると、そこにはナノからのチャットが通知されていた。
「お兄ちゃんいいなー」
どこかずれたマイペースなリアクションはナノらしいと思った。少し苦笑してアタシはそれに返事する。
「どこがぁ~。全然よくないよ」
「わたし、一人っ子だったから兄弟とかうらやましい」
「そりゃ、兄弟に夢もってるからだって」
「お兄さん、恋人いるの?」
「いないと思う」
「じゃあ、彼女さんができたんじゃない? だからそんなこと、ミドリちゃんに言ったんじゃないかなあ」
「えーありえん」
そんなやり取りをテンポよくした。フリック操作は手慣れたもので下手するとおしゃべりするより早いんじゃないかとか思ってしまうほどだ。……いや、そんなことないとはわかっているけどね。
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