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本物の百田サクラは、おそらく今駅付近にいるほうだ。あまりにも普段通りに過ごしている。もう一人、百田サクラがどこかに潜んでいるはずなのだ。
だが、それは全く見つからなかった。妖気を感じないため、地道に偽サクラと思しき者を探すしかないが、我には一つ、思い当たるふしがあったのだ。
こうして、桂男が百田サクラに擬態していると知ってから、改めて思い返したのが、ケイコとナノが話していた校門に現れた白い亡霊のような女の話だった。
その話を、今朝ケイコに訊ねた処、ケイコはあまり気乗りしない様子ではあったが、その女性の人相を細かく教えてくれた。
おそらくそれは百田サクラに化けた桂男で間違いないと思われた。
たしか、校門前に現れた桂男は教室を指さして、確認をしていたという。
――なぜ、教室を確認していたのだろう。
ケイコの話では、奴は二-Cを指さしていたらしいとのことだ。まさに今、渦中にある二-Cは被害者の娘のクラスであり、逮捕された担任のクラスでもある。
二-Cに何の用事があったというのだろう……。
我はスマホを取り出した。この件に関して、何かを知っているらしい友人がいるからだ。
それは一文字ナノに他ならない。
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