ニギミタマ② ~二十日~

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 ――とは言え、ナノの言葉を完全に否定しきれないでもいた。可能性としてはあり得ると思うのだ。  アニキに彼女なり、気になる女性ができたから、手近なアタシにサグリを入れて来たんじゃないかとか、だ。アニキは女の子とまともに会話しているところを見たことがない。それこそ、アタシくらいじゃないだろうか。  でも大学に入れば世界は開けると良く聞く。キャンパスライフはこれまでの学生生活ががらりと変わって人柄をも変化させることもあるのだとか。  もしかしたら、アニキも大学で女性と仲良くなってそのうち、カノジョもできるかもしれないと考えられなくもなかった。なんだか考え出すと面白くなくなってきたので、アタシはこの事から離れようと思いなおした。  ――ぶっちゃけアニキよりも自分たちのことだ。  アタシらの中で誰かカレシ持ちがいるだろうか。みんな表向きはカレシはいないと言っているが、実際どうなんだろう。  なんだかんだでみんなそれなりに可愛いところがあるし、カレシが居ても変じゃないのだ。それこそナノは男子から人気だ。  何と言っても胸がある。くびれがある。愛嬌がある。 「ナノはカレシいないの?」 「いないよー」 「だ、だよな。別に恋愛とかしなくても、今はフツーだし」 「好きな人はいるよー」     
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