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「だめだよ!!」
ナノの張り上げた声に、我は驚かされてしまった。普段のナノを知っているからこそ、その反応に度肝を抜かれたのだ。
「八房先生は、優しい人じゃない。ココロちゃんのこと、無視したんだよ。知ってたのに、無視したんだよ!」
「ど、どういうことですか……?」
「……わたし……ココロちゃんとは、中学校の頃、仲が良かったんだ……」
そんな独白のような言葉から、ナノは四谷ココロの事を語ってくれた。
かつて、友人であり、やがて疎遠となったこと。
ある日、彼女と八房の情事をみてしまったこと、それを誰にも言えなかったことなどだ。
「八房……先生が、ココロちゃんと、……お付き合いしていたんですか?」
「本当のところは分かんない……。でも、わたしね、実は昨日、ココロちゃんの家に行ってきたの。ずっと怖くて行けなかったけど、それじゃわたしも先生と同じだと思って、ちゃんとココロちゃんに向き合ってきた」
「そう、でしたか……」
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