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「わたし、刑事の人に、ここのカラオケで打ち明けたの。八房先生がココロちゃんを抱いているところを見たって。そしたら、刑事の人が、おじさんの刑事に、『じゃあ、妊娠の相手は担任ですよ!』って言ってたのを聞いて……わたし、ココロちゃんが妊娠までしてたんだって知ったの」
……なんと酷な話だろうか。随分とその刑事もデリカシーがないものだ。
だが……それは我にはこれ以上ない収穫となった。
奴は、妊娠していた娘の子宮を喰ったのだ……。
先日、偽サクラはフラフラとどこかへと向かっている様子だった。何かを求め、探している様子だった。
それは恐らく――。
「ねえ、カリンちゃん。もしかして、カリンちゃん、八房先生のことが好きだったの?」
「えっ、ど、どうしてですか?」
「だって、普段大人しいカリンちゃんが、こんなこと、聞いてくるんだもん。よっぽどなんだろうなって思って……」
違う、と否定しておくべきだったのかもしれないが、そこで否定するとじゃあ、どうしてこんな質問をしたのかと問われることになりかねない。
適当に話を合わせておいたほうがいいだろうと、我はただ静かに頷いた。
「じゃあ、やめたほうがいいって分かったよね。先生、人でなしなんだって分かったでしょ? ココロちゃんを殺したのもきっと……!」
「ナノ」
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