ニギミタマ② ~二十日~

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「だよな! 好きな人……、はぁ!? マジでっ?」  自分で振った話なのに、苦手な恋愛分野の話題で思わぬ情報が飛び出てアタシは赤くなってしまった。 「わたしは、好きな人いっぱいだから」 (あ、ああ、そういう好きか)  アタシはほっと胸をなでおろす自分がいることを気が付いて、はぁと大きく息を吐き出していた。やっぱりどうにも恋愛話は苦手だ。  ごろりと体を右に向けると、視線の先にはカレンダーが見えた。  来週からいよいよ期末試験だ。いい加減勉強しなくちゃならない。社会系はケイコが得意だし、ナノは理数系、カリンは国語が得意だった。そうなるとアタシは英語が得意……だったらバランスが良かったが、アタシは得意科目なんて何一つない。  強いて言うなら体育だ。そんなわけで、アタシはこの試験期間中、みんなから色々と教わり勉強を進めてきた。  将来何になりたいかなんてまだ決まっていないアタシは、アニキ同様にとりあえず大学行っとくかというあいまいな考えをしていた。  だから、勉強は人並み以上に頑張らないとならないのは分かるが、正直自分の脳みそは、勉強をするためには動いてくれない性質をもっているようだった。     
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