一霊四魂②

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 桂男は寿命を食らう。  地球に落ちてきたことで、消耗したエネルギーの補給のために、寿命は不可欠だった。  だから、生まれ始めた命の寿命を頂くことにしたのだ。  ――その芽吹く命の願いをも受け入れる事で――。 「待ってくれッ! 百田さんっ……!」  物思いにふけっていた桂男は、後ろから掛けてくる青年の声に振り向いた。ぎゃあぎゃあと、泣きわめくような強い風が吹いているようだった。 「私は、モモタサクラではない」 「……ほんと、なん、だ」 「私は桂男。月から来たエイリアンで間違いはない」 「……そういわれても、僕から見れば、あなたは百田さんにしか見えなかった」  青年、千原マサオは汗を垂らして、ぎこちなく笑った。まだ、半分は信じていないような表情だった。 「ま、待っててくれたのか? 僕の事」 「……気になっていた」 「……な、なにが?」 「なぜ、私を救った?」  マサオは、気まずそうに、あるいは自嘲するように、薄く笑った。 「それは……百田さんのことを……好きだったから」 「だが、お前は私がモモタサクラではないと分かってからも、あの組織の妖怪から私を救った」 「……あそこで動かないと、自分が自分でなくなるみたいに思えたんだ」     
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