ニギミタマ② ~二十日~

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 あと、それからアニキだったが、やっぱり彼女ができたらしい。  会わせろと言ったが、「絶対会わせん」と言われてしまった。  そう言いながらも、なんだか嬉しそうな顔をしているアニキを見て、やっぱり恋愛って楽しいのかななんてちょっとだけ興味を持った。 「ねえ、いいじゃん、今度夕飯に呼びなよ」 「なおさらダメだね」  何がなおさらなのか不明だが、アニキはどうあっても紹介する気はないようだ。  不思議なもんで、これまで会話なんてほとんどしなかったアタシたちが、この日を境に少しだけ話すことが増えたようにも思った。  なんとなく、アニキの雰囲気が変わったからかもしれない。大学に入ってなのか、カノジョができたからなのかはわからないが、人は変化していくものなんだなと、アタシは生意気にもうんうん頷いていた。  もう、空気のようなアニキはそこにいなかったからだ。人格みたいなものは変わっていないけれど、アニキを包む色合いみたいなのが全然違って見えた。なんだかそれを見ると、うらやましくも思えたのだ。  いつか、アタシもカレシが出来て、変わるのかもしれない。  変わりたくないような、変わりたいような。     
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