ニギミタマ② ~二十日~

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 この奇妙な感覚はいつまで続くんだろう。もしかしたら、大人になっても一生ついて回る感覚なのだろうか?  変わりゆく日々に、変わらぬ生活を求め、アタシは毎日を過ごしていくのかもしれない。  そんな当たり前がなんだかとても尊く思えた。相変わらずやりたいことはやっぱり不透明だったけど、変化は否応に訪れる。そのきっかけというのは、いくらでも転がっているのだと気が付いた感じだった。  ひょっとすると、これまでやりたくないからと無視してきたその先に、きっかけがあったかもしれない。好きなものを見つけるためのきっかけが。  これまで避けてきたものに目を向けてみてもいいかもしれない。  例えば、うん。それこそ、恋愛とか。ガラじゃないのは分かってるけど、そのガラだって変わっていくかもしれない。そしたら、アタシも夢中になれるものを見付けられるかもしれない。  人は、人と接することで、自分の色がゆっくり滲むように変わっていくのだろう。そんな奇妙な共鳴があるように信じられる。
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