ニギミタマ③ ~十八日~

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 わたしは、この殺人事件の事を、罪悪感から話せないでいたのだ。だから、ケイコちゃんの気持ちに便乗するように、自分の免罪符みたいにしていた。  殺人事件の被害者、四谷ココロは、中学校時代の友人だった。  この事は、ケイコちゃんもミドリちゃんも、カリンちゃんだって知らない。  中学生の時はよく一緒に遊んだし、仲もよかったけど、高校生になってから疎遠になった。理由は彼女が部活に入ったため、という事にしよう。  中学校時代は一緒に帰ったりもしたけど、高校生になって彼女は部活、吹奏楽部に入ったため、わたしとは時間が合わなくなった。クラスも違うし、徐々に疎遠になっていった。  でもそういう友達はココロちゃんだけじゃなかったし、別段不思議な事じゃなかった。カリンちゃんもそんな具合で今私たちと仲良くしていると聞いたことがあるから、彼女も昔の友達とは疎遠なのかもしれない。  女の子は群れる生き物だから、どうしても一緒に過ごせる時間が少ないと、疎遠になる可能性が高い。別に嫌いあって別れたわけじゃないけれど、ココロちゃんとは自然消滅という感じに終わっていた。  そんなある日、高校一年も残り幾日かという時だった。  わたしはちょっとした用事で学校に遅くまで残ってしまうことがあった。その日、わたしは用事を済ませて帰ろうと人気の少なくなった校舎を歩いていた。     
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