ニギミタマ③ ~十八日~

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 そんな時、使われていない空き教室から何か声が聞こえてきたので、何かなーと好奇心からそっと覗いてみたのだ。  すると、そこでは信じがたい光景が繰り広げられていた。  教室の隅で、誰かがうずくまっているように見えたけれど、うずくまっているのではなく、男に圧し掛かられている女の子だったのだと分かった。  馬乗りになっている男は、英語教師の八房だと分かった。普段の温厚で優しい先生の顔ではなく、夢中になって我を忘れているその形相はまるで鬼のように見えた。  そして下敷きになっている少女を確認した時、わたしは思わず声を上げそうになって口をふさいだ。  八房に圧し掛かられてくぐもった嗚咽をもらしているのは、四谷ココロだったからだ。  よくよく見れば、ココロちゃんは制服を乱され、スカートはめくれ上がっていた。そして、下着は足首に絡んでいて、恥部が露になってしまっている。八房がそこに必死に腰を打ち付けているのだと理解し、ここでいま何が行われているのか、わたしの呆けた脳内でようやく答えが出た。  教師と生徒の情事……。ご法度とされる淫行ではないか。     
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