24人が本棚に入れています
本棚に追加
/241ページ
漠然とだが、私はそう思っていた。
それはもちろん、親や親族は悲しんでくれるだろう。もちろん、友人もそうだ。
でもそれがクラスメートになったら? 隣のクラスになったら? 隣の町になったら? 隣の国になったら……?
そう考えていくと、自分の影響力が与える範囲なんて、本当にちっぽけなものだろう。
何より、私は自分自身の事が、どうでもいいとすら感じてしまう瞬間があるのだ。もしかしたら、私が死んでもどうでもいいと思う人は多いかもしれない。
――私は、幼いころからふとした瞬間に、記憶が飛んでいるという事が多発していた。
今、何をしていたんだっけ。どうしてここに来ているんだっけ。誰と話をしたんだっけ。
時折ぼんやりとしてしまう自分を、私は我ながらに、いい加減な人間だと卑下していた。だから、私は自然と口調と態度が一歩引いたものになってしまう。
きっと、怖いのだ……。
自分の意識がはっきりとしない状態で、他人と絡み合う事が。
私はまるで境界線をつくるように、多くの人から一歩引いたところに自分を置く。
だから、そんな私が死んでしまっても、もしかしたら気が付いてすらもらえないかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!