ニギミタマ④ ~二十三日~

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 今、自分がどうしてここにいるのか良く分からない。また、やってしまったのだ。  夢遊病という病気があることは知っている。私はひょっとすると、それを患っているのかもしれない。あまりにも頻度が高いと日常生活に支障が出る。  特にこの試験前一週間あたりは酷かった。  勉強疲れのせいかもしれないと自分に言い聞かせてきたが、流石にこの状況は酷すぎると思った。  完全に記憶が欠落していて、まっくらで狭い場所に押し込められている状態なのだ。身動き自体は取れるのだが、狭い空間に身体を折り曲げているような状態で横になっていた。  今、何時だろうと左手の時計を見ると、暗闇ながらに時刻を確認できた。  それを見て、私は怪訝な顔をしてしまう。時計は現在午前零時を示していた。つまり、夜中の零時だ。そんな時刻に私は今、どこにいるんだろう。  記憶をハッキリと持たない自分が本当に怖いと感じてしまう。  自分の記憶がない間、私は一体何をしていたのだろうか。もしかしたら、例の殺人事件の犯人は、私なのではないだろうか。  記憶がない間、私は自分が何をしていたのかさっぱり分からない。だから、知らずに誰かを襲ってしまっていたという可能性だってあるのだ。  もう一度、時計を確認する。     
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