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サキミタマ① ~十五日から十六日~
その日は朝から雨が降っていた。僕は傘をさして、近くのバス停まで歩く。
僕の名前は千原マサオ。十九歳の大学生一年だ。趣味は特にないが、強いて言うなら小説を読むことが好きなくらいか。
小説と言ってもネット小説だ。ただで読めるし、ここからアニメ化やコミックになる作品もある。それにスマホでどこでも読めるし非常に便利だった。
とはいえ、膨大な量のネット小説が毎日アップされているので、好みの作品を発掘するのが大変だ。
しかしながら、埋もれていた良作を見付けた時は嬉々としてその作品をフォローし追いかける。最近ハマっているのはダークファンタジー系で、グロ描写や性的描写が含まれているものが好きだった。
きっかけはたまたま見たアニメで、魔法少女が殺し合いをするようなヤツだったんだが、そこからそういった系統に食指が動きだしたのだ。
ネット小説というのは結構アングラなもので、自由に書いている人間が多いためか、中にはかなり過激な表現のものもあった。
それに、まるで本物を見てきたみたいな描写を交える作者もいて、おいおいコイツ、マジで人殺したことあるんじゃないかとか邪推するものもあった。
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