ニギミタマ① ~十日から十四日~

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 私はそんなミドリを呆れながら見ていた。ナノはミドリの言った変質者の事に首を傾げた。 「変質者?」 「あー……、あれでしょ。行方不明の女子高生事件。別に変質者が犯人ってわけじゃないでしょ。家出の可能性もあるし」 「ああ、朝礼で校長先生が言ってたね~。遅くまで遊ばない事って」 「つか、ナノはいつまでマイクで話してんだ。脳に来るわ」  ナノが発言をマイクを握ったまま言うので、一応突っ込んどいた。それでマイクを切ったわけだが、それがいよいよお開きの合図みたいになった。 「……やっぱり今日はもうお開きにしましょう」  せっかくフリータイムで入ったが、空気がもう解散を示していた。  確かに、昨今女子高生が行方不明になるという事案が発生しているらしく、親からも忠告されたのだ。なるべく寄り道はするなと言われたが、寄り道せずして何が女子高生かとも思う思春期だ。  正直、こうやってほとんど毎日カラオケに来ては駄弁っている私たちから言わせてもらえば、そんな行方不明事件など無関係もいいところだ。ただ同じ年頃の女の子がいなくなったというだけで、私らの行動まで楔を打ち込まれてはたまらない。     
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