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サキミタマ② ~十三日、十六日~
こんな私を誰も信用しないから。
だから私はあの時、嘘をついた。きっと嘘をついてもつかなくても、あの人は私を疑っただろう。
だって、私も私の事を信じられないのだから。
私は高校生に上がった年に、ストーカー被害にあっていた。
いつも誰かに見られているような感覚がして、振り向いたってそこには誰もいないんだけれど、でも、確かに感じる何かの気配にビクビクと毎日を過ごしていた。
勘違いだと思っていた。でも、その気配は強くなり、そしてある日、私の通学カバンに手紙が入っていた。
なんだろうと思って便箋を開けると、写真が入っている。そこに写されていたのはすべて私の後ろ姿。いつ撮ったのかさっぱり分からない。映っている背景などを見て、あの日のあの場所だと推測はできたけれど、人にシャッターを切られているとは思わなかった。
それから私はまず、友人に相談した。友人は真面目に話を聞いてくれた。それで親に相談したらどうかという事になったものの、あまり心配をかけたくないという想いから私はそのアドバイスをすぐに実行できずにいた。
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