サキミタマ② ~十三日、十六日~

2/12
前へ
/241ページ
次へ
 すると、ストーカー行為は徐々にエスカレートしはじめて、ついに自分のスマホにメールが送られてくるようになった。  いよいよ怖くなった私は親に相談し、警察にも相談するまでになったのだ。  警察の人は、ニコニコと対応しますからご安心くださいと言った。  笑顔だったのは、こちらを安心させるためだったのだろうが、私には頼りないように思えた。  ……それから数週間と経ったものの、ストーカーの気配は消えなかった。まるでほとぼりが冷めるのを待つかのようで、こちらが警察に相談したことも分かっているようだった。  私は不気味で警察にもう一度改めて、ストーカーを捕まえてほしい、安心させてほしいとお願いした。  返事はやはり、ニコニコと、大丈夫ですと言われた。 「本当に、きちんと捜査しているの!?」  私はヒステリックに叫んでしまった。色々と限界だったのだ。神経質になっていた私には、その警官のニコニコ笑顔が、どうしようもなく焦燥感を掻き立てるのだ。  私のヒスに、警官は「でもね」とこちらを否定する言葉を吐き出した。  ――全然、おかしな人物は見当たりませんから。  警官の笑顔は変わらずだったが、瞳が言っていた。  ――勘違いしてるんじゃないの? と。     
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加