サキミタマ② ~十三日、十六日~

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「そっかー。百田さんがあの子を発見するほんのわずか前に犯行に及んでるみたいなんですよ。何か見てるとか……聞いたとか、ないですか?」  三井刑事……(正しくは警部補だそうだが私には刑事の階級なんて良く分からない)は、愛想笑いを浮かべてこちらを覗き込んできた。  まっすぐ向けられる視線があまり好きではない。私はそのままうつむいてしまう。 「ご注文はおきまりですか?」  私が困ったように視線を外していると、声をかけられた。ウェイターが注文を取りに来たのだ。 「あ、僕ドリンクバー。百田さんなんでも頼んでいただいて結構ですよ。おごりますから」 「……じゃあ、ドリンクバーで」 「遠慮なさらなくていいですよー? バイトがあるんでしょ、食事摂っていったほうがいいのでは? ここのハンバーグ美味いですよ」 「いえ、その……平気ですから」  三井さんが気遣うように言ったが、私は会食恐怖症だ。こんなところで食事するなどできるわけがない。ウェイターにドリンクバーを注文すると、ウェイターは畏まりましたと引っ込んだ。  その後、三井さんがアイスコーヒーを取りに行き、私もなんだか流れでドリンクバーコーナーで適当にウーロン茶を注いだ。     
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