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『……高校に通う四谷ココロさん十六歳が遺体で発見され……』
「四谷って……同じ学年の……C組の子だ」
これまで行方不明だった女子高生を対象とする事件は、ついに『殺人事件』として世間に報道されたのだ。
コメンテーターが、過去行方不明になった事件と今回の事件の符号などを語るも、警察はまだ過去の事件と結びつくのかどうかは分からないとコメントしているようだった。
まさかとは思っていたが、実際に身近な人がニュースで被害者として報道されているのを見て、私はぞくりとしてしまった。
それは容易く、自分に置き換えることもできるからだ。そして、自分じゃないとしても、よく知る友達だったとしたら?
不安な気持ちを抱えて学校へと向かうと、通学途中の同じ学校の生徒の会話が耳に付いた。
「見たかよ、ニュース。やばくね? オレ男でよかったわ」
「女だけが狙われるって決まったわけじゃねーだろ。つか、四谷って知ってる?」
「知らね。あとで2‐C見に行こうぜ」
とんだ野次馬野郎たちだった。正直、胸糞が悪くなるのを感じながらも私はあまり考えすぎないようにしようと思いなおしていた。
だって、気にしすぎると逆に怖くなる。いつも通りが一番なのだ。
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