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どうして、百田さんは「一刻も早く犯人が捕まれば」などという言い回しをしたのだろう。
……もしかして、百田さんはその逮捕された教師が犯人じゃないと分かっているのではないだろうか。
実は、彼女は真犯人を知っていて、早くその人を捕まえてほしいと、刑事に伝えたかったのではないだろうか?
「……ばかばかしい……空想も大概にしとけって……」
自分の考えが飛躍しすぎてなんの根拠もない話だと、自分に呆れた。
「しかしっ……! 上り坂がっ! おおい、なっ……!」
ほとんど僕は立ち漕ぎ状態でひいひい言いながら住宅地を上っていく。しかし、普段身体を使うような日常を過ごしていないため、僕は途中でいよいよギブアップして、自転車から降り、押す形で坂を上りだした。
はぁはぁと息を吐き出して、天気が良かったことにほっとする。
ああ、今日が晴れだからよかったけど、雨が降ったらどうしよう。バス通学はできないし、タクシーは流石にないよなあ……。
そんな事を悩んでいると、とある角に人影を見付けた。
周りは静かで、人気もないのだが、その人影はなんだか寂し気にぽつんと浮かび上がっているように見えた。
そして、僕は心臓が止まってしまったかと思うほど、驚愕したのだ。
「……も、百田さん……」
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