ニギミタマ① ~十日から十四日~

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 もうすぐホームルームが始まるかというギリギリにやってきたのがカリンだ。カリンはいつも早めに来るが、今日はずいぶん遅かったので少しだけ心配していたが、顔をみせたので私は内心一息ついていた。これで四人、揃ったわけだ。  結局、四人は集まってほかの面々同様に、この事件の話題をあれこれと話していたが、担任が教室に入るなり、出席を取り、すぐに廊下に出席番号順で整列させた。  そのまま体育館へとぞろぞろと連れていかれると、案の定校長の事件に対する指導が行われた。  亡くなった四谷ココロの黙とうをしたのちに、警察が学校に来ることになるが、しっかりと責任ある対応を取ることと釘を刺される。  その言葉に生徒たちはざわつきだした。  学校に警察が来るという異常事態が、退屈な学生生活のスパイスになったかのように、みな心をざわつかせていた。  怖いと評判の体育教師が全員に一括するように大声を張り上げて、ざわつきは収まるも、解散となってからはまたざわざわが大きくなる。  完全に非日常と化してしまった六月十四日は、最後まで落ち着きなく終わった。  今日は部活動も一切禁止となり、生徒たちはまっすぐ家に帰るように教師からきつく言われた。  私たちも流石に今日は、ということでカラオケに行くのをやめてまっすぐに帰る事になったのだ。  結局家に帰りついても私の内側はどこかドキドキと脈打っていた。     
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