アラミタマ① ~十三日~

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 第一発見者の女性は怪しいとオレは考えた。犯行が行われて五分かそこらで発見していて、何も見ておらず聞いておらずというのは、不自然に思えたからだ。変態的な事件の犯人が男性ばかりではないのは近頃では当たり前になっていた。特に今回は子宮を引きちぎるという行為である。もしかすると、子供が産めない女性が妬み、というようなことだってあるだろう。  ……もっとも、それなら、どうして幼い未成年を狙ったのかは不明だが。 「ガイシャの子、制服姿で持ち物も通学カバンと部活の道具くらいでしょ?」 「ああ、帰宅途中にしては時刻が遅い。ひょっとすると、どこかで拉致されて、ここで解体されたのかもしれんな」 「スマホの履歴とかで大体割れるでしょ」  鑑識が調べていたスマホを受け取り、指紋ロックを遺体の指で解除して中身を調べることにする。 「チャットアプリで最後にやり取りをしていたのが、十九時ですね。……友人、かな。他愛ない会話のやり取りがあります」 「……お前、どう思う?」  五十嵐警部が猛禽類のような視線でこちらに聞いてくる。まさにハゲタカだ。おっと、ハゲは余計か。あまりにも的を射ている 「どう思うって言われても……。酷いことするなってくらいしか……」 「バカ、ちげェーよ。この事件と過去の行方不明事件、つながると思うか」  五十嵐警部が言う過去の行方不明事件というのは、ここ数か月この街で発生している少女神隠し事件のことだ。     
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