アラミタマ① ~十三日~

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 家族からの話では、どこにでいる普通の女の子だという。どうしてこんな事件に巻き込まれたのか分からないと、涙ながらに語ってくれた。  昨今、気になることはなかったかと訊ねたところ、それにも首を横に振り、嗚咽を零すばかりだった。  どうも親の話はあまり役に立ちそうもない。こういうのは、同年代の友人に聞くのがベストだが、相手が未成年だと色々面倒なことになる。  学校側に手続きを入れ、学校で面談をするということになるだろう。フットワークを軽く捜査するということは難しそうだった。  親の話をかいつまんで説明すると、被害者の少女は部活で遅くなることはあれど、夕飯までに帰れない時はきちんと連絡をするようなきちんとした少女だったらしい。  今夜も遅くなるかもしれないという連絡は夕方十八時頃、受け取っていたとのことで、二十時までは待っていたが、流石に帰りが遅く心配していたという。 「きちんとした子だったみたいですね」 「部活は吹奏楽部か?」 「みたいッスね。ラッパもってましたし」 「ありゃ、トランペットだよバカ」 「あ、そうスか。楽器とか音楽サッパリで」  となると、聞き込みは吹奏楽部の学生を中心に当たるのがいいかもしれない。家族への聞き込みは早々に終わらせ、続いて第一発見者の女性に改めて話を聞くことになった。     
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