アラミタマ① ~十三日~

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 パトカーの中で待ってもらっていた女性に「すいませんね」と一言謝って、挨拶をする。 「えと、警部補の三井ツカサです。この話でもう終わりですから。家までパトで送らせますんで、ご協力ください」 「は、はい……」  青い顔をしていた女性は若かった。  おそらく二十歳かひょっとすると十代かもしれない。女子大生らしく、夜は遅くまで美容院でバイトをしているのだとか。そのバイトの帰りにあの死体を見付けてしまって、すぐさま通報したようだ。  女性は百田サクラと名乗った。色白で美容院に勤めているというだけあって、どこかエキゾチックな美しさがあった。ただ少しやせすぎな感じを受けた。女性モデルのような細さは男からすると少しやせすぎじゃないかと不安になってしまう。 「遺体を見付けた時の状況をちょっと細かく教えてください」     
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