引きこもりの王子

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引きこもりの王子

……なんてこと。 気づいたときには、すでに馬車は城の前に着いていた。 おかしい。 屋敷から城までは馬車でも一時間はかかるはずなのにどうして。 と疑問に思ったが、その疑問はすぐに解決された。 ――なぜなら、私はあのまま寝てしまったのだから。 これに関しては不覚だった。 まさかあれだけ緊張して、しかも不安に思っていたはずなのに、目を閉じたらそのまま寝てしまうなんて、傍から見たらリラックスしすぎでしょうが!! しかも到着して馬車が止まっても起きないって! 使いの者に身体を揺すられないと目が覚めないって! 起こしてくれた使いの者も、半分笑いながら声をかけた始末。 ま、まああれよ。 疲れていたのよ。ここずっと忙しかったから……。 と言い訳しながら、馬車を降りた。
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