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羽月はそれからも「男ならもっと強引に来なさいよ」とか「男らしさをもっと出してほしいわ。優しいのが一番じゃないのよ!」とか独り言のようにブツブツと言っている。
それは私のためであって、私の恋の応援をしてくれているからそう言ってくれるのだろう。
私だってもっと器用な人間なら、こんなに悩むこともなかった。
強い人間なら自分の気持ちも強く持てたんだろう。
でも、人間、できることとできないことがあるよ……
私にとって恋愛というのは、一番苦手な分野であり、もし手に入れたとしても上手に付き合える気持ちじゃないんだ。
「……はぁ」
「ため息もつきたくなるわよね。ごめん、きつく言い過ぎた」
「ううん、羽月は心配してくれているんだよね……ありがと」
羽月はキツイところもあるけれど、根っこの部分はとても優しい人だ。
その証拠に、残業の私にわざわざ夕食を差し入れにきてくれるんだもの。
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