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「あ、ありがとうございます……」
目線だけは合わせ、でも小さな声でできるだけ会話も少なめにして接触をしないようにしている私。
そんな私を北山さんは物凄く気遣ってくれ、甘えそうになるけれどその度に楓さんの言葉が脳裏によぎる。
だから北山さんの邪魔をしてはいけないと思い、申し訳なさも感じながら彼とは距離を取る。
そんな日々が続いていた。
「富田、まだ新しいデザインはできないのか?」
「すみません、もう少し……待ってください」
「締め切りまであと一週間だぞ」
「はい、それまでには仕上げます」
まだOKを貰えていない私のデザインは、三枚目を出した時点でストップしていた。
一丁前なことを言うと、スランプってやつかもしれない。
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