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北山さんと両想いになれてから、半年が過ぎた。
私が途中から参加させてもらった「おもちゃの城」のプロジェクトは、あれから大きなトラブルもなく順調にスケジュールは進み、あとはゼネコンに委託する段階となった。
私がデザインと企画をした新生児向けのおもちゃは、いくつか出したうちの一つ、噛んだら色が変わるラトルを商品化してもらい運びとなり、今日はその見本の商品が出来上がってきたから、大慌てでデスクの上で広げていたところだ。
「う……わぁ……すごい、本当に商品になってる……!」
「あはは! 当たり前だよ。これは富田さんが作った商品なんだから」
初めて自分がデザインをしたものが商品となり、手にしたことでやっと実感が湧いてきた。
これなら、会いに行ってもいつも素っ気なくされている楓さんに見せても、きっといい反応がもらえそうだ。
そんなことを思うと、目が潤んできたから隣にいる北山さんにバレたくなくて、必死に何度も瞬きをした。
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