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「はあ、はあ…」
「深雪くん、どこー?深雪くーん!」
香我深雪(かが みゆき)は、ダッシュで中庭を抜けて渡り廊下に入ろうとしていた。
告白をしてくる子なら、まだいい。
やっかいなのは、友達のためにひと肌脱ごうとしてくるおせっかいな女子だ。
(あいつら、スゲーしつこい…)
話した事の無い女の子から深雪は追いかけられていた。
男の足で真剣に走って、深雪は逃げる。
(ああ、もう超ウゼー…、何なんだよ)
「うわっ」
渡り廊下に入り、巻いたと思った瞬間、歩いていた生徒に勢いよくドンとぶつかってしまう。
幸い深雪がすぐに手を伸ばし、当たってしまった子は間一髪のところで倒れずに済んだ。
「ごめん、ごめん…大丈夫だった?」
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