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そうして、アカリさんが荷物の運び出された部屋をサクサクと退去確認して、終えるのを待った。
ボケっとしてる間に終わっており、その後はあれよあれよとアパートから出た先に止められたカッコイイ真っ赤なスポーツカーに乗せられていた。
辿り着いた先は下はオシャレな美容院。
その上は事務所と服の倉庫部屋。
そして最上階がアカリさんのペントハウスという豪華５階建ての個人ビルだった。
「ここも、アカリさんの持ち物ですか？」
「えぇ、そうよ。うちのヘアメイクアーティスト達は仕事が無い時はこの下の美容院で美容師してるわ！」
なるほど、ヘアメイクアーティストなら美容師だものね。
雑誌や芸能人関係の仕事がない時でも美容院で働いてれば仕事は何時でもある。
なんて合理的なのだろう。
目からウロコな感じで感心しながらアカリさんの後に着いていく。
「さ、夏美ちゃんの荷物もそろそろ届くから私達は家に行きましょ！」
そうしてサラっと連れられて乗ったエレベーターを降りた先はすっごい広い玄関。
アプローチからして綺麗で広い。
ドアを開けた先はシックでモダンな落ち着いた雰囲気の家だった。
「お邪魔します。」
そう言うと
「違うわ！今日からここがあなたの家。それなら言うのは？」
そう言ってくれるアカリさんは、すっごく優しい目をしていて
「ただいま？」
思わず疑問形でビクビクしながらも言うと
「おかえり、夏美ちゃん」
柔らかい笑みと低い綺麗な声は、それはそれは暖かく私の胸に響いた。
人にただいまを言うのも、おかえりと声を掛けられるのも久方振りだった。
「さ、いらっしゃい。家を案内するわ。」
そうして入って行く途中で、
「玄関脇のこの棚は靴入れだから空いてるスペースを好きに使いなさい。」
「はい、分かりました。」
その後もリビングに行く前に「ここが洗面台にお風呂。洗濯機もここだから使っていいわ。その隣はトイレ。」
そうしてたどり着いたリビングには、
「あら、おかえり。ちょっと遅いと思ったら随分大きなの拾ってきたわね？」
はい、そこにはまたしても系統の違うオネェさんが居たのでした。
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