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時間の概念もタイミングも寸分の狂いもなく全てが合致してしまうように引き合わせられる。そして本当に人を『愛する』という事は言葉や形にしなくたって互いの想いが共鳴し合い他に何もいらない。互いの存在が今目の前にさえあればそれだけでいい。求め合う体はお互いの体が邪魔になるくらい1つになることを求め続ける。『この人さえいれば…他に何もいらない。この人のそばにいられれば。』ずっと探し求めた温もり。私を呼ぶその声。彼の匂い。その1つ1つが私の中に溶け込んでゆく。体の奥からこみあげるこの想いはようやく連れてきた出逢うべき2人が出逢う理由の答えと引き逢わせてくれたことに感謝しかなかった。ずっと私の中でくすぶり続けたものが私に本当の『愛する』事を教えてくれた。それはそれはとても長い道のりだったけれどその代償は私に生涯かけがえのないものを与えてくれた。
しっかりと強く握りしめ合った2人の手はもう2度と離さないと心に誓い合う。そして私は『神様……。私の願いを聞き入れてくれて本当にありがとう。』と心の中で何度も何度も感謝した。
《完》
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