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「では、昨夜の答えを聞かせてもらおうか。しかし、お主ひとりでよいのか?」
「そのつもりで参りました。お父様は城内の者達にダスティ様のことを説明している最中でしょう。大臣は……残念ながら寝込みました」
「ご老体には刺激が強かったか。それは悪いことをしたな」
言葉とは裏腹に、魔法使いはそれこそ無邪気な子供のように笑い転げる。
パール姫はあいまいな笑みを返してから表情を硬く引き締めた。
「……よろしいでしょうか?」
「ああ、話せ」
「はい。ダスティ様の要求通り、隣国との戦争を回避するのは吝かではありません。ですが、ダスティ様にもご助力願いたいと思っております」
「んん? 協力?」
「そうです。少々長くなりますが、説明させて頂きます」
首を捻るダスティに、姫は続けて語った。
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