40人が本棚に入れています
本棚に追加
この人間を助けたい…
ズガッ…
亜里砂の口から…デーモンの鎌の尖端が突き出た…
亜里砂の背後で、セブティアが鎌を後頭部から突き刺した事が解った…
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・!
「イャァァァァァァァァァァァーッ!」
絶叫がシュンパティアの口から発せられると…シュンパティアはセブティアに襲い掛かった…!
ガシッ…!
セブティアは、シュンパティアの腕を掴むと、涼しい顔で言った…
「あの人間は…もう人間界で生きていく事は出来ない…」
「そんな事をアナタが決める権利は無いわぁーっ!」
シュンパティアは睨みながら、鋭い歯を出して威嚇(いかく)した…
「権利は無いわ…でも、あの人間が求めていた事よ…」
シュンパティアは亜里砂に振り返った…
亜里砂は…穏やかな顔で、涙を溢して言った…
「ありがとう…悪魔さん…これで…もう…可愛い生き物を殺さないで済む…殺してくれて…本当に…ありがとう…もう…あの声を聴かずに…済みます…」
「お前のカルマは…私が地獄に運んでやるわ…安心して死にな…」
セブティアの言葉に…亜里砂は…微笑んで目を閉じた…
シュンパティアは床に座り込み、呆然とした…
「お前逹…今見た事は…生涯口外してはならない…私達悪魔の事も…この人間の事も…全ての罪を背負え…もし約束を破れば…」
セブティアが、鎌の尖端を男逹に突き付けた…
男逹は無言で何度も頷いた…
警察が到着し、犯人逹は逮捕された…亜里砂は犯人に殺害され、他の人質も同様に扱われた…
シュンパティアは元気がなかった…
セブティアは横目で見ると…飴を差し出した…
「何…これ…?」
「飴ってのよ…舐めてみな…不思議な味がするから…」
シュンパティアは、恐る恐る飴を口に入れた…
「うわぁぁぁ…何これぇ…不思議な味…」
シュンパティアの顔が明るくなると、セブティアは微笑して飛び立った…
「教えてよぉぉーっ!これ何処にあったのぉぉーっ!」
シュンパティアも翼をひろげると、セブティアは笑いながら彼方に羽ばたいていった…
終わり
最初のコメントを投稿しよう!