私の声が聞こえる…

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この人間を助けたい… ズガッ… 亜里砂の口から…デーモンの鎌の尖端が突き出た… 亜里砂の背後で、セブティアが鎌を後頭部から突き刺した事が解った… ゴゴゴゴゴゴ・・・・・! 「イャァァァァァァァァァァァーッ!」 絶叫がシュンパティアの口から発せられると…シュンパティアはセブティアに襲い掛かった…! ガシッ…! セブティアは、シュンパティアの腕を掴むと、涼しい顔で言った… 「あの人間は…もう人間界で生きていく事は出来ない…」 「そんな事をアナタが決める権利は無いわぁーっ!」 シュンパティアは睨みながら、鋭い歯を出して威嚇(いかく)した… 「権利は無いわ…でも、あの人間が求めていた事よ…」 シュンパティアは亜里砂に振り返った… 亜里砂は…穏やかな顔で、涙を溢して言った… 「ありがとう…悪魔さん…これで…もう…可愛い生き物を殺さないで済む…殺してくれて…本当に…ありがとう…もう…あの声を聴かずに…済みます…」 「お前のカルマは…私が地獄に運んでやるわ…安心して死にな…」 セブティアの言葉に…亜里砂は…微笑んで目を閉じた… シュンパティアは床に座り込み、呆然とした… 「お前逹…今見た事は…生涯口外してはならない…私達悪魔の事も…この人間の事も…全ての罪を背負え…もし約束を破れば…」 セブティアが、鎌の尖端を男逹に突き付けた… 男逹は無言で何度も頷いた… 警察が到着し、犯人逹は逮捕された…亜里砂は犯人に殺害され、他の人質も同様に扱われた… シュンパティアは元気がなかった… セブティアは横目で見ると…飴を差し出した… 「何…これ…?」 「飴ってのよ…舐めてみな…不思議な味がするから…」 シュンパティアは、恐る恐る飴を口に入れた… 「うわぁぁぁ…何これぇ…不思議な味…」 シュンパティアの顔が明るくなると、セブティアは微笑して飛び立った… 「教えてよぉぉーっ!これ何処にあったのぉぉーっ!」 シュンパティアも翼をひろげると、セブティアは笑いながら彼方に羽ばたいていった… 終わり
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