欲望電車~シリーズ篠原聖の依頼~

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欲望電車~シリーズ篠原聖の依頼~

私の名前は、篠原 聖(しのはら ひじり)親父は、裏社会で殺人以外は何でもこなし…アタシを育てた… 数年前…とある組織のトラブルに巻き込まれ、呆気なく殺された…当時アタシは、大学に通う世間知らずの娘だったが…父親の死をきっかけに…この裏社会に足を踏入れた… 今は親父の地盤を引き継いで、殺人以外は何でも請け負っている… アタシの主な依頼は、性行為に絡む事柄が多く…例えば、事故により不敏な姿になった娘に、死ぬ前に一度だけ経験させてやりたい…とか…ある時は、老婆の三姉妹が若い男に抱かれたいと依頼された…結果的に三姉妹は300年以上生きている吸血の一族で、男から生き血を吸い取り、若返った… アタシの廻りには…魔物が吸い寄せられる空気が漂っているのかも知れない… 1番線から…新宿行の電車が参ります…黄色い点字ブロックの内側までお下がり下さい… 今回の依頼…それは、痴漢マニアの依頼だった… 迷惑防止条例により、痴漢行為は厳しく罰せられる…依頼者は、同意の上で電車内で痴漢行為をしたいので、女性を宛がって欲しいとの依頼だった… 公衆猥褻物陳列補助罪により、アタシも罰せられる危険のある行為だ… 依頼金額は160万円…アタシは、女と80万円づつの折半にする事で、依頼を受けて女を用意した… 杉原 瞳…アイドルを夢見て上京したが、所属事務所はAV製作を手掛けるメーカーだった為に、瞳は本意ではなく泣く泣く作品に出演させられていた…会社は瞳を5年契約縛りで、辞めたら違約金が発生すると脅していた… アタシは、たまたま撮影現場のプロデューサーを知っており、撮影後に泣いていた瞳に声を掛けたのだった… 世の中には…悪い大人が蔓延している…瞳はAV業界には相応しくない…アタシは彼女を気にかけて、ちょくちょく食事や呑みに誘って相談を受けていた… 「聖さん…おはようございます…今日はよろしくお願いします…」 瞳は、ジーンズにカットソーのラフなスタイルで表れた… 「今日は本番はしなくて良いから…ただ…触られるのに、それだとマズイわね…時間あるし、洋服買いに行こうか。」 瞳は素直に頷くと…聖の後を着いてきた… フェラーリF40の前で、息を飲んだ…
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