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聖は…依頼者にメールを打った…夕方の内容は、依頼業務に於ける…契約違反の警告だった…
メールはすぐに返信があり…依頼者は女性と合ってない、逆に聖が依頼を放棄したとして、損害賠償をかけてきた…
聖は少し考えて…お詫びの文章を送った…謝るので損害賠償を取り下げて欲しい旨だった…相手は、お詫びの条件として、翌日にもう一度、今度は三人用意しろと送ってきた…聖はOKと回答した…
ピッ… ピッ… ピッ…
集中治療室の瞳の姿をガラス越しに見に行くと…聖は頭を下げた…
瞳…ごめんなさい、アタシが怠慢だったばかりに…貴女に辛い思いをさせて…
カツッ… コツッ…
聖は病院を後にした…
一番線から…新宿行の電車が参ります、黄色い点字ブロックの内側までお下がり下さい…
夕方のラッシュ時に…聖は電車に乗り込んだ…
髪に…黄色い飾りを付けた女性が三人乗っていた…目印だ…
すぐに男は仕掛けてきた…女性の背後に立った男が…女性を羽交い締めにして口を押さえたのだ…
「ふぅぐっ…!」
女性が慌てたが…先日の行為から考えれば、聖にとっては想定内だった…
あと2駅…
聖は、停車駅とドアの開放方向を確認した…
ガタン… ガタン…
間もなく…森上…森上…進行方向右側のドアが開きます…危険ですから開閉にご注意下さい…
電車のアナウンスが流れ…その後で、駅に電車が到着すると…聖は男の背中を蹴り付けると…男はホームに転がり落ちた…
「うわぁぁぁぁぁーっ!な…何すんだぁぁ!」
ホームに倒れた男を見下ろして…聖は言った…
「粕谷浩二さんですね…篠原聖と申します…本日はご依頼ありがとうございました…」
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・!
聖の気迫に…男は少し怯んだが、すぐさま言い返した…
「クライアントに対して…な…何て態度だ!俺はまだ依頼の女と遊んでないんだぞぉぉーっ!」
男はいきり立った…
「先程…黄色い飾りを付けた女性の背後に立って、羽交い締めにして…すぐに挿入してましたよね…弊社との約束事は…挿入無しの、お触りだけの筈です…こちらの送って頂いたPDFに実印が押印されてますが…」
「そ…挿入なんかするか!証拠はあるのか!精液でもあるのか!」
確かに、男は射精していない…証拠はない…
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