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数時間後…黒塗りの車が聖の目の前に着くと…柄の悪い男が降りてきた…後ろから、男の父親らしき男も着いてきたが…柄の悪い男が聖の顔を見て…首を小さく降りながら苦笑して言った…
「粕谷さん…篠原聖が噛んでるなら…何で言ってくれないんすか…」
粕谷の父親は…驚いて男の顔を見た…
「無理です…脅してどうにかなる相手じゃありません…書類も完璧に裁判で勝てる内容でしょう…前にこの篠原の親父には、痛い目にあってる…払いなさい…16億…この女…粕谷さんの銀座のビルを取ろうとしてる…資産価値30億円を失うか…16億で済ますか…任せますよ…」
男は聖の顔を見ないで車に乗り込んだ…聖は言った…
「どーすんだぁぁ!今すぐ金を払うか、権利書持ってくるのか!10秒以内に決めろぉ!アタシは気が短いんだよぉぉーっ!」
聖の声に…力なく膝を付いた粕谷の父親は…言った…
「払う…払います…16億円…許して下さい…」
聖は微笑した…
カツッ… コツッ…
「あの…瞳さんのお母様ですか…?」
集中治療室から一般病棟に移動した瞳の病室の前で…聖は地味な中年女性に声を掛けた…
「はい…どちら様でしょうか…」
「篠原と申します…瞳さんに以前お仕事をお願いした者で…お支払いに参りました…」
聖は巨大なスーツケースを2つ床を転がして渡した…
「これは…」
母親が驚いていると…1つを横にして、蓋を開けた…
カチャ…
中にはぎっしりと一万円札の束が詰められていた…
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・!
「4億づつ…合計8億入ってます…瞳さんにお伝え下さい…事務所に違約金を払って…新しい人生を歩んで下さいと…失礼致します…」
カツッ… コツッ…
聖は病院を後にした…
キュルルル…ボゥンッ…
F40に乗り込むと、聖は微笑した…
イレギュラーな金は折半にするのがアタシの流儀…
アタシの名前は、篠原聖…どんな依頼でも請けます…その先にある、闇を切り裂く為に…
終わり
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