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「あの男の虐待の概念と…あの子供の残留思念が、偶然に何処かで繋がってしまったのよ…あの男は、過去に虐待により子供を死なせていた事を後悔し…虐待をしていた所から、人生を始めた…あの子も、過去に母親から虐待を受けて命を落とし…虐待をされる事からスタートしていた…お互いに失敗を繰り返さない為の、新しいスタートだったのよ…シュンパティアは、それを見て今を回避しようとした…でもあの2人にとって…辛くても、未来を見据えたスタートだったのよ…」
「そんなぁ…私は…ただ…あの子を助けたくて…」
シュンパティアは唇を震わせた…
「言ったでしょ…表面だけを見ていても…本質は理解できない…シュンパティアが、良いと思った行動は…あの二人にとって…やっとやり直すチャンスを奪う事に繋がったのよ…」
「そんなぁ…うぅぅ…生き返らせてよぉぉ…私…次はちゃんと見守るからぁ…うぅぅ…」
シュンパティアは泣き始めた…
「人間が好きなら…もっと理解しな…私は、人間を切り刻めても生き返らせる事は出来ない…」
二人の前で…男は血を噴き出して死ぬと…
目的を失った萌音は…消えていった…
「ごめんなさい…うぅぅ…ごめんなさい…」
泣き崩れるシュンパティアを…セブティアはため息を付ながら見つめた…
2週間後…
「見なよ…シュンパティア…あの老夫婦の所を…」
セブティアが指す先に…キラキラと光る空間が表れた…
「あれは…!」
「この前の子の…残留思念よ…あの老夫婦は…不注意から孫を死なせてしまったの…虐待ではないけど…小さな子を死なせてしまった気持ちが…あの残留思念につながれば…あの子は、また人間に生まれ変わる為のスタートをきれる…」
「お願い…思念と繋がります様に…」
シュンパティアは、目を瞑り祈った…
キラッ… キラッ…
残留思念が…老夫婦の悔みの概念と重なり、キラキラと空間が光り始めた…
老夫婦の前に…萌音がヴィジョンを表し始めると老夫婦が驚愕した…
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