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「セブィティア…あれは人間なの…?私達と同じ種族じゃないの…?」
険しい顔の悪魔は…可愛い声で脇の悪魔に訊ねた…
脇の悪魔は、涼しい顔で微笑しながら言った…
「アンタは何にも知らないのね…ウッフフフ…あれが人間の本質よ、下らない金とかって紙に踊らされ…同族で殺し合い…騙し合う…ウッフフフ…面白いでしょ…人間って…」
「許せない…あんなに一生懸命に手伝ってくれたのに…裏切るなんて…許せない…許せなぁぁぁーいっ!」
瞳を潤ませた悪魔は…翼を広げて病院へ飛び立った…
「ウッフフフ…バカみたい…人間なんかの為に、必死になっちゃって…」
もう1匹の悪魔は、微笑すると先に飛び立った悪魔の跡を追った…
夜…
絵里子は…病院の屋上に立っていた…
騙されたとは言え…取り返しの付かない行為をしてしまった…もう…
生きている意味がない…
絵里子が金網に手を掛けた時…
何かが翼を広げて降りてきた…
バサバサバサ…
その生き物を見て…絵里子は驚愕した…
人に近い容姿をした…コウモリの翼を持った耳の尖った、濃いアイメイクの少女の様な生き物…
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・!
「バ…バケモノ…!」
「私の名前は…シュンパティア…どうしたの…?何をしようとしてたの…?」
不思議だった…恐ろしい容姿をしているのに…この少女の様な生き物の顔は…優しく…悲しそうだった…
「うっ…うぅぅ…」
絵里子は泣き出した…
「アタシ…アタシ…親友に裏切られたの…恥ずかしい画像をばら撒くって…あんな画像が拡散されたら、アタシ…生きていけない…」
「親友…?それは…何…?」
少女の様な生き物は訊ねた…
「親友…かけがえのない…一生の友達よ…」
絵里子は言った…
「友達はそんな事をしないんじゃないの…?それより…死ぬなんて…ダメだよ…」
絵里子は、その言葉を聞いて…一瞬驚いたが、すぐに苦笑した…
「アナタ…悪魔だよね…悪魔のくせに、そんな事を言うんだ…」
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