汚れた親友

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真紀に向かい…水の中を泳いでくる何かがいた… それはゆっくりと…絵里子の姿を表した… 「絵里子…アンタ…入院してたんじゃ…」 ザバァァァァ… 絵里子が水面から姿を表すと…真紀は驚愕した… 絵里子の下半身は…巨大な蜘蛛の体をしていたからだ… 「ヒャァァァァァァーッ・・・・・!」 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・! 「真紀…よくも裏切ってくれたわね…」 真紀は逃げようとすると…沼の泥に足を取られ身動きが出来なかった… 「この空間は…別の空間よ…ここでアナタは、私に切り刻まれ続けるの…殺さないわ…殺さないギリギリのラインで、アナタを生かし続ける…永遠か…私が満足するまで…長きに渡り続けるわ…カルマを…浄化してやるわ…真紀…」 絵里子は言った後…鋭利な前足で真紀の頬の肉を削ぎ落とした… シュパーン…… 「おい…真紀!どうしたんだ!」 事務所にいた男が、突然動かなくなった真紀を不審に思い…肩を揺さぶった… しかし…真紀はピクリとも動かずに…頬の肉が切れ目と共に削ぎ落ちた… べチャ… 「ウギャァァァァァァァーッ・・・!」 男の絶叫が響き渡った… 「セブィティア…絵里子は…どうなるの…?」 動かない真紀を見ながら…シュンパティアは訊ねた… 「憎しみが…デーモンの念に勝ったわ…新しいデーモンが誕生したわ…ウフフ…あの人間は、これから長きに渡り…あの人間を切り刻み続けるでしょうね…あの人間の思念の中で…」 「そんなぁ…可愛そうだよ…」 シュンパティアの瞳から…涙が溢れた… 「あの子はデーモンの姿になったけど…怨みは晴らせるかもよ…ウフフ…可哀想…?幸せよ…あの人間は…」 セブィティアは、横目で見ると微笑した… シュンパティアは、涙を拭くと…何処かに飛んで行った… セブィティアは、苦笑すると…翼を広げると…その方向に向かい飛び立った… 終わり
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