40人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
真紀に向かい…水の中を泳いでくる何かがいた…
それはゆっくりと…絵里子の姿を表した…
「絵里子…アンタ…入院してたんじゃ…」
ザバァァァァ…
絵里子が水面から姿を表すと…真紀は驚愕した…
絵里子の下半身は…巨大な蜘蛛の体をしていたからだ…
「ヒャァァァァァァーッ・・・・・!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・!
「真紀…よくも裏切ってくれたわね…」
真紀は逃げようとすると…沼の泥に足を取られ身動きが出来なかった…
「この空間は…別の空間よ…ここでアナタは、私に切り刻まれ続けるの…殺さないわ…殺さないギリギリのラインで、アナタを生かし続ける…永遠か…私が満足するまで…長きに渡り続けるわ…カルマを…浄化してやるわ…真紀…」
絵里子は言った後…鋭利な前足で真紀の頬の肉を削ぎ落とした…
シュパーン……
「おい…真紀!どうしたんだ!」
事務所にいた男が、突然動かなくなった真紀を不審に思い…肩を揺さぶった…
しかし…真紀はピクリとも動かずに…頬の肉が切れ目と共に削ぎ落ちた…
べチャ…
「ウギャァァァァァァァーッ・・・!」
男の絶叫が響き渡った…
「セブィティア…絵里子は…どうなるの…?」
動かない真紀を見ながら…シュンパティアは訊ねた…
「憎しみが…デーモンの念に勝ったわ…新しいデーモンが誕生したわ…ウフフ…あの人間は、これから長きに渡り…あの人間を切り刻み続けるでしょうね…あの人間の思念の中で…」
「そんなぁ…可愛そうだよ…」
シュンパティアの瞳から…涙が溢れた…
「あの子はデーモンの姿になったけど…怨みは晴らせるかもよ…ウフフ…可哀想…?幸せよ…あの人間は…」
セブィティアは、横目で見ると微笑した…
シュンパティアは、涙を拭くと…何処かに飛んで行った…
セブィティアは、苦笑すると…翼を広げると…その方向に向かい飛び立った…
終わり
最初のコメントを投稿しよう!