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すると…セブティアが、また鎌を前に差し出した…
「見なさい…あの娘の顔を…」
セブティアに促され、亜里砂の顔を見たシュンパティアは…眉間にシワを寄せた…
亜里砂の顔が…醜く歪み、笑みを溢していたからだ…
ギャァァァァァ・・・ン・!
次の瞬間…亜里砂は倒れている男の頭からハサミを抜き取ると、それを先程呟いた女性客の目玉に突き刺した…
ズブゥゥゥ・・・・・!
そう…そうよ…
気持ちいいでしょ…?
人を殺すのって…
亜里砂の脳裏に…囁く女性の声が響いた…
それは…幼い頃から…時たま聞こえてきていた…恐ろしい囁きだった…
「あの人間は…二つの人格を抱えて生まれてきているわ…日常で善を行う一つと…真逆の悪の人格を…そしてあの子は…日常で善意を行う反動で、小動物を殺してバランスを保っていた…」
セブティアは、冷酷な笑みで言った…
「そしたら…私が見ていたのは…」
シュンパティアが、下を向いた…
「言ったでしょ…人間の本質を見極めるには、表面的な事を見てても分からない…内に秘めた深淵が…広いか狭いかで、私達との境が変わるわ…あの人間は…悪魔に最も近い人間よ…」
ギャァァァァァ・ン・・!
亜里砂は…いつの間にか、全ての人質を…残忍に殺害して、返り血を浴びて笑っていた…
フワァァ…
シュンパティアが、亜里砂の目の前に表れた…
「どうして…うぅぅ…あんなに沢山良いことをしていたのに…どうしてなのぉの…うぅぅ…」
シュンパティアの瞳から…涙が溢れていた…
「私じゃない…私の中の声が…私に囁くの…殺せ…気持ちいいわよ…それがアナタの本能であり…幸せよ…って……うぅぅ……助けてよぉぉ…私を…助けてぇ…」
亜里砂は泣いていた…
シュンパティアは亜里砂を抱きしめた…
「私には…どうする事も出来ない…ごめんなさいぃ…本当に…ごめんなさいぃ…」
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