雨蛍

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雨蛍

静かな雨の夜 佇む人がいて 何故か側に飛んだ 風に夏の匂いがする ふわりと貴方の前 光り舞い降りる 寂しげなその瞳にも 私は映るかな 雨の中 夜の中 貴方が泣くなら 小さな灯りでも あげたいと願ったの 伸ばされた指に そっと止まる 側にいる 短い時間の 全て貴方にあげれたなら 水面を叩く音が 少し弱くなる 微かに明るくなる 空には暁光が射す 雨は止み 夜は明け 別れの時が来る たった一夜 それだけだったのにどうして 貴方の近くで 祈るように光ってた こんな小さな私 苦しさが身を焦がすよ 瞬く微かな光は掻き消される 出会って願った私は 暁光に灼かれる 伸ばされた指に 止まったまま 側にいる このいのち尽きるまで 貴方と共に飛びたい
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