白蛍

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白蛍

深き暗闇 無明の夜 今佇む 別れ道 静かな雨音 叫びを消す 振り向く事 許されぬと この血塗られた 両手の中に 何を守れる? 残酷な定めにも 抗う強さ 強く求め 失わず守れはしない 摂理を解して 漆黒の雨音と 白く淀む清流が迫る 渦を巻く激しき運命 飲み込まれたら 流れて行くだけ 声を殺して 顔を上げる この最後の 夜の中 不意に瞬く 微かな輝き ふわり飛んで すぐ側に そっと伸ばした 指に留まり 何を見ている? 哀しいほど美しい 蛍の光 胸に迫る 儚くて強き灯りを消したくなくて 漆黒の戦乱と 白く揺らめき浮かぶ平和 いつの日か静かな水が 大地を鎮める 未来を信じ 残酷な定めにも 抗う強さ 闇夜の果て 失わず守れはしない 摂理に反して 漆黒の雨音と 白く澄んだ清流が迫る 渦を巻く激しき運命 光が降りて 未来は動く
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