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長く長く生きて何でも知っているおじいさんがいました。
あまりに長く生きたので、妻も子も孫も、孫の孫も、遠い昔に死んでしまいました。
おじいさんは、ある日、神様になりたくなって出かけていきました。
何でも知っているおじいさんは、もちろん神様がお住まいの場所も知っていたのです。
遠く遠く旅をして、神様の前にたどりついたおじいさんは「わしを神様にしてください」と頼みました。
神様は「なぜ神になりたいのか?」とお尋ねになりました。
おじいさんは「すべての人を幸せにしたいのです」と答えました。
「今日から、おまえが神だ。私はもう神でいることに倦んだのだ」
神様はそういうと、どこへとも知れず去っていきました。
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