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定立《テーゼ》
十六能力は、所持者の性格や経験、そして死因が基となって発現するものであるらしい。
……ならば、この、直径15センチメートルほどの、白い魔方陣のような円が示す、京自身のそれはーー
「『輝石』なしでも十六能力が使えるなんて、聞いたことないけど……それが、キミの能力なのね、京」
いまだ驚きが収まらない様子の厘は、まじまじと「定立」を見つめる。
「それに、実体もなさそうだし……こんな十六能力、はじめて見た」
それほど、珍しいものなのだろうか。京としては、厘の「烈火矛槍」のように、わかりやすく「武器」と呼べるもののほうが良かったのだが、その言葉は心の中にしまっておく。
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