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後日談、あるいは始まりの前日譚
朝日に照らされた白い部屋の中で、京は目を覚ました。
その眩しさに、思わず目を細める。
「……ん」
シーツの敷かれた柔らかいベッドの上から起き上がると、少年は大きく伸びをしてから、壁に立てかけられた時計を見た。
時刻は午前八時ちょうど。徐々にはっきりしていく意識の中でーー京は、その表示の意味を遅れて理解する。
「……やばい」
大急ぎで寝間着のジャージを脱ぎ捨てると、京はハンガーに立てかけてあった高校の制服に袖を通す。生身の右手でドアノブを捻り、部屋を飛び出すと、勢いよく階段を駆け下りた。
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