ある少女との明晰夢

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 ひとり残された銀髪の少女は、何かを憂うような表情で、誰もいない空間にむけて呟く。 「嵐山 京。『輝石(キセキ)』を使わず、実体化もしない、ふたつの十六能力(イザヨイ)を持つ少年」  少女が持つ、長い銀髪が揺れる。 「あなたは本来、『冥府』にいるはずもない人間。だから存在が不安定で、私が夢の中で干渉することができる」  彼女が見据えるものとは、果たして。 「それでも……あなたでは、絶対にあいつ(・・・)を殺すことはできない。いや、あるいはーーハイツ・デネブの全員をもってしても」
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