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ケノザが目を覚ましたとき、ななめに入る朝日をあびて、レオナールは炭の棒を手にしていました。
「おはよう。ねむれた?」
「はい。とてもよく。あの……」
ベッドから身を起こしたケノザはレオナールを見つめます。
「ああ、とってもきれいな寝顔だったから、つい残しておきたくなって」
ほら、と古紙にしたスケッチを見せてくれました。
「まあ。これがわたし?」
そこには、これから花開くのを待つ乙女の顔がありました。
さわっただけでこわれてしまいそうな、つつましさです。
ケノザが春先にだけ咲かせる、細く小さな淡い紫の花を思わせました。
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